急性腎障害(AKI:Acute Kidney Injury)とは

六訂版 家庭医学大全科 の解説

急性腎障害(AKI:Acute Kidney Injury)とは
(腎臓と尿路の病気)

 急性腎不全は、腎機能が急激に低下し、身体の内部環境が維持できなくなった状態をいいますが、腎機能の低下の程度や速度についてのはっきりとした定義がなく、異なった施設で比較研究などを行ううえで困難でした。

 また、急性腎不全の予後血液浄化療法などにより死亡率が約80%から約50%に改善しましたが、その後いろいろな治療法が試みられていますが、さらなる進歩が認められていない現状があります。

 近年、急性腎不全をより早期に診断し、治療を始めることにより予後の改善を図れるのではと考えられ、AKI概念が提唱されました。2002年に国際会議で新たな診断基準としてRIFLE基準(表13)が提唱され、国際的に使われています。2007年にはAKIN(Acute Kidney Injury Network)からRIFLE基準を修正したAKIN基準(表14)が示されました。今後は、これら基準の有効性について検証し、さらに尿量や血清クレアチニン値以外の、AKIを早期診断できる指標の開発が期待されています。


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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