息出(読み)いきだし

精選版 日本国語大辞典 「息出」の意味・読み・例文・類語

いき‐だし【息出】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 息を出す所。通風換気のために設けた穴、窓など。いきぬき。
    1. [初出の実例]「息(イキ)出しの物見よりわづかにもるる月日のかげ」(出典浄瑠璃・天神記(1714)二)
  3. たるの上にあけた穴で、飲み口から酒やしょうゆなどを出すためのもの。
    1. [初出の実例]「呑口へ桝をあてがいけれども出かねるゆへ、上の方へ息(イキ)出しをもむ」(出典:咄本・座笑産(1773)昔の後悔)
  4. 兜の部分の名称。兜を着用した時に、頭がむれたりのぼせたりすることを防ぐため、鉢の頂上にあけてある空気ぬきの孔。周囲を座金物(ざかなもの)で飾り、この部分は八幡座と称し、古来神霊の宿る神聖なところとされた。神宿(かんやど)り。天空(てんくう)。息払(いきはら)い。〔本朝軍器考(1722)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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