物見(読み)ものみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

物見
ものみ

見物をすること。また事物視察,展望する意から,展望する場所をもいい,城郭や邸の物見櫓,戦場において敵情を視察し,その動静を探索する斥候をいう。また編笠などの切抜き穴や牛車の左右にある窓,幕や几帳ののぞき穴をいう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

もの‐み【物見】

[名]
物事を見ること。見物すること。「物見に出かける」
戦陣で、敵情を探ったり見張りをしたりすること。また、その人。「物見を遣る」
物見台」「物見櫓(やぐら)」の略。
外を見るために設けた窓や穴。
㋐牛車(ぎっしゃ)の左右の立て板に設けた窓。
㋑壁や編み笠などに設けた穴。
見る価値のあるもの。すぐれたみもの。
「これ程の―を一期(いちご)に一度の大事ぞ」〈義経記・六〉
[形動ナリ]みごとなさま。りっぱなさま。
「松茸の―なるを一折」〈咄・醒睡笑・七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

物見
ものみ

物事を見る意から、祭礼や展覧会などの催し物を見物することをいう。転じて、物を見るところの意から、城や屋敷に設けられた物見櫓(やぐら)のような遠方を望み見る高楼や、牛車(ぎっしゃ)、駕籠(かご)、輿(こし)などにつけられた小窓のほか、幕、編笠(あみがさ)などの外をのぞき見るための穴をいう。また戦場などで、敵の動静などを探ることや、その任にあたる斥候を意味する。物見車は祭礼の見物や遊山の際に用いられた牛車、物見姿といえば物見遊山のときのよそ行きの服装で、物見高いという語はなんでも珍しがって見物する好奇心の強いことをいう。

[宇田敏彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

もの‐み【物見】

〘名〙
① (━する) 物事を見ること。見物すること。祭礼や、観賞にあたいする場所、または賑わう場所などに行って見ること。物見遊山。
※古今(905‐914)恋一・四七八・詞書「かすがのまつりにまかれりける時に、ものみにいでたりける女のもとに」
② (━する) 戦陣で、敵の動静・敵地の状況などを探ること。また、その役の者。斥候(せっこう)。物見番。物見役。
※上杉家文書‐(元亀三年)(1572)九月一八日・上杉謙信書状「あなたより此方之武見(ものみ)之衆へ押懸候」
③ 遠くを望み見たり、のぞいたりするための、場所や設備。
(イ) 牛車の網代(あじろ)による八葉(はちよう)や文(もん)の車の左右の立板に設けた窓。前袖から後袖まで開いているのを長物見、半分のものを切物見という。また、そこに設けられた戸を物見板という。駕籠や輿などについてもいう。
※大鏡(12C前)五「馬頭の、ものみよりさしいでたりつるこそ、むげに出家の相ちかくなりにてみえつれ」
(ロ) 城や邸宅の一部に、外部を見るために設けられた台や楼などの施設。物見台。物見やぐら。
※浮世草子・男色大鑑(1687)四「物見(モノミ)より様子を吟味して、扨門をひらけば」
(ハ) 外または内をのぞき見るのに便利なように作った、幕・壁・編笠などの穴。
※寛永版曾我物語(南北朝頃)八「誰なるらんと不思議にて立ち寄り、幕のものみより見入れければ」
(ニ) 大型和船で駒の頭立(二本立)のあいだ、つまり左右の挟みの間にはさまれた所をいう。ここから船底の淦水(あかみず)のたまりぐあいを見るためのもので、通常は戸を立てる。〔和漢船用集(1766)〕
⑤ (形動) 見るにあたいするもの。また、見事であるさま。立派であるさま。見物(みもの)
※義経記(室町中か)六「これ程のもの見を一期に一度の大事ぞ」
※咄本・醒睡笑(1628)二「大名の、世にすぐれて物見なる大鬚をもちたまへるあり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報