惣開(読み)そうびらき

日本歴史地名大系 「惣開」の解説

惣開
そうびらき

[現在地名]新居浜市惣開町

現新居浜市域の北西海岸にある嘉永年間(一八四八―五四)開発の新田跡。当時、住友新居浜分店長であった清水惣右衛門が、低湿のこの地を干拓して四町七反三畝の新田を開発した。名付けて惣右衛門新開としたが、のち惣開と略称した。

南は新居浜平野を経て別子べつし銅山に通じ、北東新居浜港に臨んで海陸交通の便があったので、明治一七年(一八八四)洋式製錬所を新設、同二二年には、住友分店を移転して設置、同二六年には住友鉱山鉄道惣開―端出場はでば間が開通、以後昭和四三年(一九六八)閉山まで別子銅山の管理経営の中枢地であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の惣開の言及

【新居浜[市]】より

…1702年(元禄15)別子銅山と新居浜浦を結ぶ道が開かれると,産銅や鉱夫の生活必需品などの管理・輸送に携わる口屋(くちや)が設置され,口屋を中心に市街地ができ,商業も発達した。嘉永年間(1848‐54)には住友の清水惣右衛門が惣開(そうびらき)新田を開発した。明治に入り,惣開には洋式製錬所が設けられたが,1893年鉱山鉄道が開通して本格的操業が始まると煙害問題が起こり,反対運動が続発,製錬所は1905年に燧灘の四阪(しさか)島に移された。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」