改訂新版 世界大百科事典 「新居浜平野」の意味・わかりやすい解説
新居浜平野 (にいはまへいや)
愛媛県北東部,燧(ひうち)灘に面する平野。中央構造線に沿う石鎚断層崖によって画された平野南部は,急傾斜面をなして直線状に東西にのび,北に向けて小扇状地が連続する。広義には西の道前平野(西部を周桑(しゆうそう)平野,東部を西条平野と呼ぶ),中央の東新平野,東の宇摩平野を総称して新居浜平野という。狭義には国領川のつくる扇状地状三角州の東新平野を指し,新居浜市域中心部にあたる。道前平野は中山川,加茂川などの形成する沖積平野で,干拓地や埋立地も広がり,西条市がある。宇摩平野は法皇山脈北側に東西に細長くのび,四国中央市が占める。全域が東予新産業都市(1964指定)に含まれる臨海工業地帯であるが,低湿な平野部では自噴水が見られたほど地下水が豊富であり,遠浅の沿岸部では近世以降干拓も広く行われ,米作が盛んである。山麓ではかんきつ類,柿などの果樹栽培が行われる。また周桑平野では施設園芸,宇摩平野では法皇山脈から吹きおろす〈やまじ風〉対策としてサトイモやツクネイモの栽培も行われる。東西に国道11号線,JR予讃線が通じ,西条市から南に国道194号線,北へ196号線が走る。
執筆者:穐岡 謙治
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