意調子(読み)いぢょうし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「意調子」の意味・わかりやすい解説

意調子
いぢょうし

雅楽における前奏曲一種。高麗壱越 (こまいちこつ) 調 (主音ホ) の音取の一種で特定楽曲に先立ち,高麗笛篳篥 (ひちりき) の音頭によって奏され,後半では三の鼓が打添えられる。非拍節的リズムのもので,曲の途中笛と篳篥の旋律が非常に食違うところがあるので,両人は心を合せて奏さなければならないことからか,「心調子 (しんちょうし) 」ともいう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の意調子の言及

【調子】より

…楽曲《音取》は,この調子の極略形と考えられる。一方,高麗楽には《意調子》《狛調子》などという曲があり,いずれも特定の舞楽の前奏として用いられる。ただし同じ雅楽でも,歌物においては東遊(あずまあそび)に《狛調子》という小曲がある以外は,類似の概念があっても,それを調子とはあまりいわない。…

※「意調子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android