出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
雅楽のうち、高麗楽(こまがく)(右方(うほう))および東遊(あずまあそび)に用いる横笛。「狛(こま)笛」「細(ほそ)笛」ともいい、全長約36.5センチメートル、直径約0.9センチメートル、雅楽の3種の笛のうちもっとも細く短い。頭端は右方の楽を示す緑の錦(にしき)で包まれる。指孔は神楽(かぐら)笛と同じく6孔で、管尾から干(かん)・五(ご)・丄(じょう)・夕(しゃく)・中(ちゅう)・六(ろく)と称す。音高は神楽笛より長3度、竜笛(りゅうてき)より長2度高い。柔らかな低音域の「和(ふくら)」の音と、それよりオクターブ高い「責(せめ)」の鋭い音とがあり、篳篥(ひちりき)とほぼ同じ旋律を装飾音を混じえて奏す。元来は百済(くだら)楽の笛で、楢(なら)笛と称して奈良の楽人(狛姓の帰化人)に使われていたものを、鳥羽(とば)天皇(在位1107~23)のころこれを大きくした太笛(いまの神楽笛)がつくられたのと区別して、細笛、狛笛と称するようになったという。
[橋本曜子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…日本に定着した朝鮮系統の楽舞で,雅楽の主要種目の一つ。通常は唐楽に対する語として用い,狛楽とも記す。元来は古代の日本に伝来した大陸系諸楽舞のうち,高句麗からのものを高麗楽と称した。この高麗楽は,新羅楽・百済楽とあわせて三韓楽と総称され,現行の高麗楽の母体となったものである。高句麗直伝を意味する〈高麗楽〉の用例は,雅楽寮の記事に多くみられる。それによると使用楽器は横笛,莫牟(まくも)(管楽器の一種),箜篌(くご),鼓などであった。…
…〈ふきえ(吹柄,吹枝)〉の意から生じたともいわれる古来の言葉で,元来は吹いて鳴らす楽器一般を指し,吹奏楽器とか管楽器など近代の用語とも範囲がほぼ重なる。しかし日本では,それらのなかでもいわゆる横笛の類が多用され,とくに親しまれてきたため,笛といえば横笛のことという観念もまた強い。 横笛とは竜笛(りゆうてき),能管,篠笛等々を指す俗称で,演奏時の構えに由来する呼び方であるが,原理的・構造的にも共通性があり,和楽器以外(たとえば洋楽のフルート)にも適用が可能である。…
※「高麗笛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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