デジタル大辞泉 「愛し」の意味・読み・例文・類語 めぐ・し【▽愛し】 [形ク]1 いとおしい。かわいい。「父母を見れば貴く妻子めこ見ればかなしく―・し」〈万・四一〇六〉2 気がかりである。いたわしい。「人もなき古りにし里にある人を―・くや君が恋に死なせむ」〈万・二五六〇〉 は・し【▽愛し】 [形シク]いとしい。愛すべきである。かわいらしい。「み吉野の玉松が枝えは―・しきかも君がみ言を持ちて通はく」〈万・一一三〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「愛し」の意味・読み・例文・類語 めぐ・し【愛・愍】 〘 形容詞ク活用 〙① 見るにたえない。気がかりである。いたわしい。[初出の実例]「人も無き古りにし里にある人を愍久(めぐク)や君が恋に死なせむ」(出典:万葉集(8C後)一一・二五六〇)② いとおしい。かわいい。かわいらしい。[初出の実例]「父母を 見れば尊し 妻子(めこ)見れば 米具之(メグシ)愛(うつく)し」(出典:万葉集(8C後)五・八〇〇)「我が小子の偏に鍾りて愛(メグク)いまししは、已に無常の羅刹の為に呑まれたまひにけり」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇)「特鍾憐愛 女久之(メクシ)止於毛不美己々呂乎安津女天」(出典:水戸本乙日本紀私記(1678)神代下)愛しの補助注記語源には諸説あるが、「め」(目)と「心ぐし」の「ぐし」(苦しい)から成り、目に見て苦しい、気掛かりであるが本義であり、ここから胸が痛むほどかわいい、いとしいの意も派生したと思われる。愛しの派生語めぐ‐さ〘 名詞 〙 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例