感圧記録紙(読み)カンアツキロクシ

化学辞典 第2版 「感圧記録紙」の解説

感圧記録紙
カンアツキロクシ
pressure sensitive paper

筆圧程度の圧力に感じて発色して情報記録を行うための紙で,伝票など手書きまたはタイプ書きの書類の複数作成に広く用いられるほか,ラインプリンターなどにも応用されている.おもな感圧記録紙には,紙の裏面にカーボンワックスを均一に塗布し, 被複写紙と重ねて上から圧力を加えると転移する形式のものと,圧力でマイクロカプセルを破壊し,化学的に発色させる形式とがある.後者はノンカーボン紙またはノーカーボン紙といい,紙の裏面に無色色素の還元体(ロイコ色素)を溶解したオイルを含有するマイクロカプセルを塗布し,被複写紙表面に酸性活性白土,あるいはフェノール系やサリチル酸亜鉛系の有機顕色剤を塗布してある.マイクロカプセル層と顕色剤層が接触した状態でカプセルが破壊されることによって,色素が顕色剤層に移動して発色する.多くの複写枚数を必要とする場合には,カプセル層と顕色剤層を両面にもつ紙を中間紙として使用する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の感圧記録紙の言及

【染料】より

…またこれとは別に,形成された紙面へ塗布する技術もある。(2)感圧・感熱色素 感圧記録紙は,無色の感圧色素をマイクロカプセルに封入し紙の裏面に塗布した紙と,顕白剤(酸性白土,フェノール類などの固体酸)を上面に塗布した紙を合わせ,筆圧でカプセルが破れ化学反応を起こして発色するものである。一方感熱紙は,無色の色素と酸性物質をバインダー中で混合して紙に塗布し,熱により融解して反応発色させるもので,色素に関しては前者との間に本質的な相違はない。…

※「感圧記録紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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