慈尊院村
じそんいんむら
[現在地名]九度山町慈尊院
紀ノ川南岸、雨引山の北麓にあり、東は入郷村、西は山崎村(現かつらぎ町)。「続風土記」は「当村本掩田といふ、天野の祝文に見えたり、又掩多・菴田・安田とも書す、後改めて今の名とす」と記す。小名に西山がある。寛弘元年(一〇〇四)九月二五日の太政官符案(前田家本「高野寺縁起」所収)に「伊都郡家多村建政所舎庫蔵等」とみえる「家多村」がこの地で、高野山の政所が置かれたことが知られ、中世までは高野山参詣の基地ともされた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 