(読み)い

精選版 日本国語大辞典 「懿」の意味・読み・例文・類語

い【懿】

  1. 〘 名詞 〙 うるわしいこと。よいこと。
    1. [初出の実例]「懿 イ ヨシ ヲヲヒナリ」(出典:和玉篇(15C後))
    2. [その他の文献]〔爾雅‐釈詁・下〕

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普及版 字通 「懿」の読み・字形・画数・意味


22画

[字音]
[字訓] よい・うつくしい

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
字はもとに作り、亞(亜)+欠。亞は壺、壺中の美酒を飲む形。神に薦める美酒をいう。〔説文〕十下に「專久にして美なり」とし、恣の省声とするが、恣はのちの誤った形で、壹(壱)がその声。壹も、もと亞に従い、壺の形であった。恣も、欠が初形。美酒を飲んで、神人相楽しむことを懿という。金文に「」「釐」のように、神霊の徳をたたえる語として用いた。

[訓義]
1. よい、うつくしい。神意にかなう意であるから、懿徳・懿釐のように用いる。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕懿 ヨシ・ヨミス・ウヤマフ・ネコフ・ミル・ヒサシ・ヲホイナリ・ハルカナリ・モハラ・ウレウ

[語系]
懿yetは壹iet、噎yetと同系。強い酒を飲むときの感触をいう語のようである。壹は酒のむれる形。

[熟語]
懿懿懿戒懿規懿訓懿行懿士懿旨・懿事・懿淑懿親懿戚・懿度・懿徳懿範・懿美懿風懿文・懿文懿望
[下接語]
淵懿・雅懿・淑懿・純懿・淳懿・親懿・清懿・忠懿・貞懿

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