日本歴史地名大系 「我孫子郷」の解説 我孫子郷あびこごう 大阪府:泉大津市我孫子郷槙尾(まきお)川北岸、府中(ふちゆう)村(現和泉市)の西に接した地を中心とし、海辺の下条大津(げじようおおつ)付近まで及んだとみられる地域の称。「新撰姓氏録」(和泉国未定雑姓)に「我孫公」がみえ、我孫公は古代大和朝廷の漁民の統率者ともいわれている。和泉国には供御の魚を宮中に納める網曳(あびこ)御厨が設置されたが(「延喜式」内膳司)、当郷との関係は明らかでない。南北朝期、「あひこはま」には黒鳥(くろどり)(現和泉市)の安明寺五座を本座とする麹商人の麹売場があったようである(正平一六年七月一九日「又二郎介利銭借状」河野家所蔵文書)。室町時代には山城西芳寺領で、「北野社家日記」長享三年(一四八九)七月四日条に「西芳寺領和泉国我孫子」とある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報