戸場野村(読み)とばのむら

日本歴史地名大系 「戸場野村」の解説

戸場野村
とばのむら

[現在地名]浅羽町富里とみさと

太田おおた川・原野谷はらのや川の合流地点東側、なか村の南に位置する。永禄四年(一五六一)八月二日の今川氏真判物(海老江文書)にあげる遠州所々新田八ヵ所のうちに「戸羽野」とみえる。天正元年(一五七三)に武田勝頼が水軍の将小浜景隆に宛行った三千貫文の所領のなかに、「戸羽野之内」として三五〇貫文が書上げられている(元亀四年一〇月一日「武田勝頼判物」小浜文書)。なお室町期には京都実相じつそう(現京都市左京区)領として「遠江国苫野郷」がみえる(永享五年六月九日「足利義教御判御教書」・長禄三年一〇月二五日「実相院門跡領目録」・寛正五年九月一二日「管領細川勝元奉書」実相院文書)。「苫野」が転じて戸羽野となった可能性はあるが、右の三点の文書はいずれも郡名の記載がなく、確証は得られない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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