袋井宿(読み)ふくろいしゆく

日本歴史地名大系 「袋井宿」の解説

袋井宿
ふくろいしゆく

[現在地名]袋井市袋井

山名やまな郡に所属。現袋井市の中央南西寄りに位置する。宿の西端で北東から流れてきた沖之おきの川と北より南流してきた宇刈うがり川が合流後、宿の南を西流する原野谷はらのや川に合流する。地名は井水に囲まれた袋状の地形に由来するという(掛川誌稿)。袋井町とも。

〔中世〕

高階宗成が弘安(一二七八―八八)頃に東海道の宿宿を詠みこんだ「遺塵集」に「なく ふくろふの もろこゑは かけてもきかし」とみえる。当地は中世東海道の宿駅で「経覚私要鈔」応仁二年(一四六八)末条によれば京都から鎌倉に至る宿に袋井宿があり、西隣の国符こふ(現磐田市)より二里、東の懸河かけがわへは三里とある。これは永禄元年(一五五八)閏六月二四日に転写されている(実暁記)山科言継は弘治三年(一五五七)三月九日に懸川より原川はらがわ(現掛川市)経由で袋井を通り、二里を隔てた見付みつけ(現磐田市)へと至っている(言継卿記)。建武三年(一三三六)八月一五日、伊豆の田代基綱は駿河守護代由比氏に属して遠江に発向、同月一二日に「袋井縄手」における合戦で、若党中島行通を討死させたという(「田代基綱軍忠状」田代文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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