戸矢子保(読み)へやこほ

日本歴史地名大系 「戸矢子保」の解説

戸矢子保
へやこほ

栃木市北西部の永野ながの川上流域一帯に比定される。平安時代、下野国内には奈良東大寺の封戸が二五〇戸あった(天暦四年一一月二〇日「東大寺封戸庄園并寺用雑物目録」東南院文書)東大寺はこの封戸に代えて便補保の設定を強く国司に働きかけ、その結果、長寛二年(一一六四)六月二〇日「可早以薗部・戸矢子両郷、為東大寺御封代便補保事」との下野国司庁宣(百巻本東大寺文書)が出され、ここに戸矢子保が立保された。ところが戸矢子保の立保後まもなく下野国衙から、薗部そのべ郷・戸矢子郷の両郷を保とすることは「過分巨多」つまり広大すぎるとの在庁官人の訴えにより、戸矢子保あるいは薗部保のどちらか一方が停止された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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