択里志(読み)たくりし

改訂新版 世界大百科事典 「択里志」の意味・わかりやすい解説

択里志 (たくりし)

朝鮮,李朝後期の実学者李重煥が著した地誌。1714年成立。写本,不分巻。《択里志》という名称後世の人が付けたもので,《八域卜居志》《八域志》《博綜誌山水録》など異名が多い。国内で居住に適した所を選択するという目的から,朝鮮8道の地形気候産業・交通の状況,人間の気質名勝各地に伝わる故事等が記載されている。李重煥の30年にわたる放浪生活で得た知識が反映されており,後世にも広く読まれた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の択里志の言及

【地誌】より

…地方史料が少ない李朝史研究にとって,各郡県の実情を反映する《邑誌》は単に地理資料としてだけでなく,地方の政治,経済,社会,文化の様相を伝える史料として高い価値をもつ。風水地理書や官撰地誌の限界をのりこえた科学的な地誌は,実学派の李重煥の《択里志》(1714)に始まり,《大東輿地図》を作った金正浩の《大東地志》(1850)で一応の完成をみた。【吉田 光男】。…

※「択里志」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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