デジタル大辞泉 「指向性進化法」の意味・読み・例文・類語 しこうせい‐しんかほう〔シカウセイシンクワハフ〕【指向性進化法】 進化における自然選択を模倣して、有用な酵素を合成する手法。まず、酵素をつくる遺伝子をPCR法によって増幅させると同時に、意図的にランダムな変異を起こさせる。これらの遺伝子を大腸菌に組み込み、目的とする性質をもつ酵素を生み出すものを選別して、その遺伝子を得る。遺伝子をふたたび増幅・変異させて大腸菌に組み込み、選別を繰り返すことで、より有用な性質をもつ酵素をつくることが可能となる。[補説]米国のF=アーノルドは同手法を開発した業績により、2018年にノーベル化学賞を受賞した。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
知恵蔵mini 「指向性進化法」の解説 指向性進化法 自然界の生物の進化の仕組みを模倣し、たんぱく質の一種である酵素の機能を目的に応じて高めていく手法。ランダムに変異を発生させた酵素のバリエーションを作り、目的に合ったものだけを生かすことを繰り返し、自然淘汰を人為的に作り出す。考案した米国カリフォルニア工科大の教授であるフランシス・アーノルドは、この手法によって約1000種類の新しい酵素や、元の酵素よりも活性の高い酵素を作ることなどに成功した。また、作られた酵素が医薬品やバイオ燃料の製造に活用されている点が評価され、2018年のノーベル化学賞を受賞した。 (2018-10-18) 出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報