振り延ふ(読み)フリハウ

デジタル大辞泉 「振り延ふ」の意味・読み・例文・類語

ふり‐は・う〔‐はふ〕【振り延ふ】

[動ハ下二]
ことさらに物事をする。わざわざする。
「かやうに―・へ給へるこそ、たけき心地すれ」〈・薄雲〉
(「ふりはえて」の形で副詞的に用いる)わざわざ。ことさらに。
「遠くおはしましにし後、―・へてしもえ尋ねきこえ給はず」〈蓬生

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「振り延ふ」の意味・読み・例文・類語

ふり‐は・う‥はふ【振延】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行下二段活用 〙 ことさらに物事をする。わざわざする。多く、困難なことをあえてする、遠路わざわざ行く、などの意に用いる。また、「ふりはえて」の形で副詞的に用いる。→ふりはえ
    1. [初出の実例]「ふりはへていざふるさとの花見んと来しを匂ひぞ移ろひにける〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四四一)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 大きく振り動かす。広げて振る。また、のばして振る。
    1. [初出の実例]「春日野のわかなつみにやしろたへの袖ふりはへて人のゆくらん〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春上・二二)

振り延ふの補助注記

( 1 )[ 二 ]の「古今集」の例は[ 一 ]の意もかけて用いている。
( 2 )[ 一 ]と同様な語に「さしはう」がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android