蓬生(読み)よもぎう

精選版 日本国語大辞典 「蓬生」の意味・読み・例文・類語

よもぎ‐う ‥ふ【蓬生】

[1] 〘名〙
① よもぎなどの生い茂っている所。草深い荒れ果てた土地。自分の家をへりくだってもいう。
拾遺(1005‐07頃か)雑賀・一二〇三「いかでかは尋ね来つらん蓬ふの人も通はぬわが宿の道〈よみ人しらず〉」
② 江戸吉原の遊女屋、松葉屋で、タバコ、また、(ぜに)をいう。〔随筆・当世武野俗談(1757)〕
[2] 「源氏物語」第一五帖の名。光源氏二八歳の秋から二九歳の四月まで。末摘花(すえつむはな)の後日談。源氏須磨下りののち、荒れたにあって、叔母甘言嘲笑にもめげず、源氏を待ち続ける末摘花のところへ、源氏が訪れてその苦労が報われるさまを描く。

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デジタル大辞泉 「蓬生」の意味・読み・例文・類語

よもぎ‐う〔‐ふ〕【×生】

ヨモギ一面に生え茂って荒れ果てている所。 春》「―にかたまる嵯峨道しるべ野風呂
源氏物語第15巻の巻名。光源氏、28歳から29歳。源氏が生活に困っていた末摘花を思い出し、二条東院に引き取って世話をすることなどを描く。

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