据え膳(読み)すえぜん

精選版 日本国語大辞典 「据え膳」の意味・読み・例文・類語

すえ‐ぜんすゑ‥【据膳・居膳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. すぐ食べられるばかりに食膳をととのえて人前に出すこと。また、その膳。
    1. [初出の実例]「点心〈壱つ〉、吸物〈二つ〉、すえせん共」(出典:高野山文書‐寛永一五年(1638)七月一〇日・一二臈庭儀経営注文)
  3. 人を働かせて自分はなにも手を下さないこと。
    1. [初出の実例]「隠逸の身はすへ膳の月と花」(出典:雑俳・十八公(1729))
  4. すっかり準備をととのえて人にすすめること。
    1. [初出の実例]「凡て未開の人民を、開化の域(さかひ)に導くは、政府(おかみ)にて、居膳(スヱセン)をせねばならぬ」(出典開化のはなし(1879)〈辻弘想〉二)
  5. 女の方から男にいい寄ること。女性の方から男に恋をしかけること。
    1. [初出の実例]「すへ膳(ゼン)と鰒汁を喰ぬは男の内ではない」(出典:浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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