捲立(読み)まくしたてる

精選版 日本国語大辞典 「捲立」の意味・読み・例文・類語

まくし‐た・てる【捲立】

〘他タ下一〙 まくした・つ 〘他タ下二〙
① 息もつかせず、はげしく言い立てる。たてつづけに述べ立てる。まくしかける。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「『その理由が聞いて見度いネ』と真黒に成ってまくし立てた」
② はげしく追い立てる。あおりたてる。
黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一「上を下への騒ぎに、三郎もまくし立てられて」

まくり‐た・つ【捲立】

〘他タ下二〙
① さかんに追い立てる。切りまくって追う。
太平記(14C後)九「坊門少将、殿法印の兵共三千余騎、僅の勢にまくり立られて」
② さかんに言って責めたてる。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初「かはるがはるにまくりたてしゃべりつけられ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報