掛持・懸持(読み)かけもち

精選版 日本国語大辞典 「掛持・懸持」の意味・読み・例文・類語

かけ‐もち【掛持・懸持】

〘名〙
① 本領以外に有する所領。預かり地。
相良氏法度(1493‐1555)二八条「懸持検断之時、百性を仮屋なとと候事候。然と其在所を居屋敷ならす候者、検断ままたるへし」
② 二つ以上の職や役などを同時に受け持つこと。兼務。兼任
※俳諧・小町踊(1665)夏「春と夏をかけ持にせり藤の棚〈毛軽〉」
足跡(1909)〈石川啄木〉「偶(たま)に先生が欠勤でもすると、私が掛持で尋常二年に出ますの」
俳優芸人などが、時間をずらして一日に二か所以上に出演すること。
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「夜席の出がけなんぞにゃア牛で抔一(ぱいいち)しめたうへでかけ持(モチ)なぞをつとめると高座でどんなにかしゃべりいいかしれやせん

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