出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
寄席(よせ)の舞台。もとは仏教語で、釈尊(しゃくそん)が成道(じょうどう)したという金剛宝座をかたどり、説教のときに一般席より高く設けた台。これが話芸の世界に導入され、落語や講談など寄席芸を演ずる者が座る台をいうようになった。文化(ぶんか)(1804~18)のころ講釈師の伊東燕晋(えんしん)が畳1枚の大きさの固定した高座をつくったが、その後さまざまなくふうが加わり、やがて寄席ではステージそのものが高座になった。最近では大会場で寄席演芸が行われ、高座に緋毛氈(ひもうせん)をかけ、金屏風(きんびょうぶ)を背にする装置も施される。落語家が高座にあがるときに着る衣装を「高座着」といい、高座で使用する扇子(風(かぜ))を「高座扇子」ともいい、高座で敷く座布団を「高座布団」とよぶ。出演者が高座を降り、次の出演者が高座にあがる前に前座が出てきて、座布団をひっくり返し、前の出演者の羽織や湯飲みをかたづけ、メクリ(演者の名を記した紙)を次の演者にかえる仕事を「高座返し」とよんでいる。
[関山和夫]
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報