普及版 字通 「掬(漢字)」の読み・字形・画数・意味
掬
人名用漢字 11画
[字訓] すくう
[字形] 形声
声符は(きく)。は掬の初文。両手を以て物を掬うをといい、文献には掬の字を用いる。〔左伝、宣十二年〕に、敗走する兵がみな水に入り、舟に手をかけるので、舟中の人がその指を切り落とし、「舟中の指、掬すべきなり」という記述がある。
[訓義]
1. すくう、むすぶ、くみとる。
2. 両の手、そのたなごころ。
3. 心意をくみとる、うけいれる。
4. 容量、五合。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕掬 牟曾夫(むそぶ) 〔名義抄〕掬 ムスブ・ニギル・ツツム・オコク・トドム・マロカス・ノゾク・ハカル・チル・ユフ・トル 〔字鏡集〕掬 ウゴク・マロガス・クム・トル・ノゾク・ニギル・トドム・スクフ・ツマム・ムスブ・タナゴゴロ・ツカム・イフ・ハカル・ツツム
[語系]
掬・・kiukはみな同声。(きよく)は両手。は手中にもののある形。掬はその動詞形とみてよい。
[熟語]
掬示▶・掬縮▶・掬蹙▶・掬壌▶・掬水▶・掬誠▶・掬泉▶・掬▶・掬弄▶
[下接語]
一掬・盈掬・手掬・半掬・俯掬・掬・弄掬
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報