掻き崩す(読み)カキクズス

デジタル大辞泉 「掻き崩す」の意味・読み・例文・類語

かき‐くず・す〔‐くづす〕【×掻き崩す】

[動サ四]
傷などを、ひっ掻いて悪くさせる。
少しずつなくなる。なしくずしにする。
十月時雨紅葉―・し」〈宇津保・楼上下〉
少しずつぽつりぽつりと話す。
「心に思ふやう、身のあることを―・し言ふにぞ」〈かげろふ・中〉

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精選版 日本国語大辞典 「掻き崩す」の意味・読み・例文・類語

かき‐くず・す‥くづす【掻崩】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. ( 「かき」は接頭語 ) 次第次第に散らしてゆく。
    1. [初出の実例]「十月時雨に紅葉かきくづし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
  3. ( 「かき」は接頭語 ) 少しずつぽつりぽつりと話す。思い出し、思い出しして話す。
    1. [初出の実例]「心に思ふやう、身のあることを、かきくづし言ふにぞ、『いとことはり』と言ひなりて、いといたく泣く」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  4. 傷やはれ物などをひっ掻いて大きくしたり、はらしたりして悪化させる。

掻き崩すの補助注記

一説に、なしくずしに散らすの意とする。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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