掻き暗す(読み)カキクラス

デジタル大辞泉 「掻き暗す」の意味・読み・例文・類語

かき‐くら・す【×掻き暗す】

[動サ四]
空を曇らし、暗くする。雨や雪が、空が暗くなるほど強く降る。
五月雨さみだれさへ―・し、まことにいぶせかりけるに」〈平家・六〉
心を暗くする。悲しみにくれる。
「―・す心の闇にまどひにき夢うつつとはこよひ定めよ」〈伊勢・六九〉

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精選版 日本国語大辞典 「掻き暗す」の意味・読み・例文・類語

かき‐くら・す【掻暗】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 「かき」は接頭語 )
  2. 空などを暗くする。
    1. [初出の実例]「かきくらしふる白雪の下消にきえて物思ふ頃にもある哉〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋二・五六六)
    2. 「比(ころ)はさ月廿日(はつか)あまりのまだ宵の事なれば、目ざすともしらぬやみではあり、五月雨(さみだれ)さへかきくらし」(出典平家物語(13C前)六)
  3. 心を暗くする。悲しみに暮れる。
    1. [初出の実例]「かきくらす心の闇にまとひにき夢うつつとはこよひ定めよ」(出典:伊勢物語(10C前)六九)

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