精選版 日本国語大辞典 「掻払」の意味・読み・例文・類語
かき‐はら・う ‥はらふ【掻払】
〘他ワ五(ハ四)〙
① 手や道具などで、とりのぞく。また、(涙などを)払いのける。
② (「かき」は接頭語。多く、連用形を副詞的に用いて) 一つも残らないようにする。すっかりなくす。
※大和(947‐957頃)一五七「この家にありける物どもを、今の妻(め)のがりかきはらひもて運び行く」
③ 掃いてきれいにする。掃除する。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「きたなきところは、かきはらひかきのごはすとてなむ」
④ 勢いよく横に打ち振る。
かっ‐ぱら・う ‥ぱらふ【掻払】
〘他ワ五(ハ四)〙 (「かっ」は接頭語)
① 横になぎ払う。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉七「いつ主人のものをかっぱらふか油断も隙もありゃしない」
かっ‐ぱらい ‥ぱらひ【掻払】
〘名〙 (「かっ」は接頭語) 人のゆだんやすきをねらって、品物を盗み去ること。また、それをする人。かっさらい。もちにげ。かっぱらえ。
かい‐はら・う ‥はらふ【掻払】
〘他ハ四〙 (「かい」は接頭語) 払いのける。すべて取り去ってしまう。
※蜻蛉(974頃)中「心つかひし、塵かいはらひ、門もあけたりければ」
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