揺さぶられっ子症候群(読み)ゆさぶられっこしょうこうぐん

百科事典マイペディア 「揺さぶられっ子症候群」の意味・わかりやすい解説

揺さぶられっ子症候群【ゆさぶられっこしょうこうぐん】

頭部を強く揺すられた乳幼児が,頭蓋(ずがい)内出血眼底出血などを起こし,精神発達遅滞や視力低下に陥る病気。最悪の場合には,死亡することもある。 米国では1960年代から被虐待児症状群のひとつとして知られていたが,日本でも最近になって,幼児虐待によって死に至るケースなどから注目を集めるようになった。 虐待ではなく,両親や兄弟がその危険性を知らずにあやすつもりで揺すり,発症することもある。この場合,重篤な状況になっているにもかかわらず,発見が遅れて手遅れになるケースも多い。 親や周りの大人たちがこの病気の存在を正しく認識し,予防を心がけると同時に,早期発見・早期治療が重要である。→児童虐待

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