網膜出血と脈絡膜出血の総称で、慣用的には硝子体(しょうしたい)出血も含まれる。なお、眼底出血というのは病名でなく、眼底のいろいろな病気のときにみられる異常所見の一つである。
網膜はいくつかの種類の神経細胞が複雑に連絡し、それぞれの細胞が規則正しく配列している組織であり、一定の厚みをもっているので、網膜のどの層からの出血であるかによって形が異なってくる。網膜と硝子体との間にある出血は網膜前出血とよばれ、上方が水平な半円形を示す。網膜の表面にある出血は、神経線維の走行に沿って線状あるいは火炎状となる。網膜深層の出血は、線維の走行と細胞の配列が水平方向をとるため、斑(はん)状あるいはしみ状となる。脈絡膜出血は暗赤色を示す。硝子体出血は、網膜出血が硝子体中に波及してくる場合が多い。
網膜出血の原因でもっとも多いのは、高血圧や動脈硬化と関係の深い網膜静脈閉塞(へいそく)であり、このほか、糖尿病網膜症や高血圧性網膜症などでも、網膜出血がみられる。また、網膜自体の病気としては、結核が疑われるイールズ病Eales's disease(網膜静脈周囲炎)などがある。
[松井瑞夫]
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…硝子体の収縮などの変化で容易に網膜に裂孔が生じて網膜剝離(はくり)に進行することがある。
[眼底出血]
眼底検査は血管を見る検査といっても過言ではない。なかでも出血は各種疾患の重要な所見であり,出血源,出血部位などがそれぞれの疾患の原因,治療,予後を左右する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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