日本歴史地名大系 「摩国」の解説
摩国
さつまのくに
西海道の一国。九州の南西端を占め、東は大隅国および一部日向国、北は肥後国に接した。現在、全域が鹿児島県に属する。「和名抄」東急本国郡部に「散豆万」の訓がある。
古代
〔摩国の成立〕
地名としての薩摩の初見は「日本書紀」白雉四年(六五三)七月条の「薩麻之曲・竹嶋之間」における遣唐使船遭難記事であるが、七世紀まではおもに
なお国名の表記に関して、大宰府出土木簡や天平八年(七三六)の薩摩国正税帳(正倉院文書)では薩麻とされ、「続日本紀」では薩摩に統一されているので、天平八年から延暦一六年(七九七)の間に薩麻から薩摩の表記に変わったと考えられる。また前掲「続日本紀」大宝二年一〇月三日条には「唱更国司等」の下に「今薩摩国也」という注が施されている。唱更国司を
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報