政所館跡(読み)まんどころたてあと

日本歴史地名大系 「政所館跡」の解説

政所館跡
まんどころたてあと

[現在地名]会津坂下町合川 政所・西屋敷・村北・宮ノ北

みや(鶴沼川)東岸の河岸段丘上に立地する。未発掘のため詳細は不明であるが、現況調査で総面積が約三万平方メートルに及ぶ複郭式の平城と考えられる。現在重福じゆうふく寺の所在する堀跡に囲まれた場所が本郭と想定される。ここは平安時代蜷川いながわ庄の政所が置かれた場所に比定され、建長五年(一二五三)一〇月二一日の近衛家所領目録(近衛家文書)には「蜷河庄(中略)冷泉宮領内」の記載がみられる。また、観応三年(一三五二)五月二一日の真壁政代薄景教軍忠状(真壁文書)に「蜷川庄政所楯」とあり、一四世紀中頃まで館として機能していたと考えられ、現在残っている姿はこの頃のものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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