数字を含む四字熟語

四字熟語を知る辞典 「数字を含む四字熟語」の解説

数字を含む四字熟語

四字熟語の中には、数字漢数字)を効果的に使ったものが多くあります。本書に載る約一二五〇語の四字熟語うち、実におよそ一八パーセント、二三一語の熟語に数字が含まれています。

 そのうち、最も多く登場する数字は何でしょうか。これは、クイズとして成立するでしょう。

 選択肢として思い浮かぶのは、まず「一」。「かいこういちばん」など、ものの初めを表します。あるいは、「さんいったい」など、安定感のある「三」。さらには、「はっぽうじん」など、多いことを表す「八」。どれが最も多いでしょうか。

 実は、正解は「一」です。「一」を含む四字熟語は一一八語あります。数字のつく四字熟語のうち、なんと半分以上に「一」がついているのです。

 「いちいち」のように、「一」が二回登場する四字熟語も二四語あります。したがって、全体では一四二か所に「一」が登場することになります。まさに大活躍です。

 「一」の使われ方を見てみると、まず、最初につくものがあります。

 「いちせんしんいちたいすいいちげんいちごうしょかんいちごんはんいちぞくろうどう……」

 あるいは、先ほどの「開口一番」のように、三字目につくものも。

 「がいしゅういっしょくがんいってつ危機ききいっぱつきょうどういっきょうりょくいっきょこくいっ……」

 そして、「一~一~」のように、一字目と三字目につくものもあります。

 「いちげんいっこういちいちいちいちじゅういちごんいっいちじゅういっさいいちじょういちいちいちりんいちぼくいっそういちもんいっとういちいちがいいっいちゆういっきょいちどう……」

 この形は、「一汁一菜」のように、ひとつの物同士をペアにする場合や、「一問一答」のように、あることの後に別のことが続く場合などに使われます。

 なお、出現度数順にすべての漢数字を並べると、次のようになります。一語に複数回出現する場合を考慮しても、順位は変わりません。

 「一→三→千→万→四→百→八→二→五→十→九→六→七→億」

 熟語に含まれている数字を足すと一番大きくなるのは「じゅうまんおく」。億+万+十で、一億一万十になります。その次は「せんぺんばん」などで一万一千です。

 一方、数が一番小さくなる四字熟語は? 答えは「だんかんれいぼく」。「零」が含まれるからです。もっとも、この「零墨」は「こぼれた墨」のことです。

出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android