答え(読み)こたえ

精選版 日本国語大辞典 「答え」の意味・読み・例文・類語

こたえこたへ【答・応・報】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こたえる(答)」の連用形の名詞化 )
  2. こたえること。質問や呼びかけに応じること。返答。返事。答申
    1. [初出の実例]「時に、群臣、嘿(もた)して答(コタヘ)無し」(出典:日本書紀(720)舒明即位前(寛文版訓))
    2. 「めせば御こたへして起きたれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  3. むくい。応報。返報。
    1. [初出の実例]「故、今日の夢(みゆめ)みたまふは、必ず是の事の応(コタヘ)ならむ」(出典:日本書紀(720)垂仁五年一〇月(寛文版訓))
  4. 山彦などの反響。
    1. [初出の実例]「つれもなき人をこふとて山びこのこたへするまでなげきつる哉〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋一・五二一)
  5. ききめ。効果。
    1. [初出の実例]「是よりいましめをくはふるといへども、其恐れかろく、又こたへうすし」(出典:評判記・色道大鏡(1678)五)
  6. あいさつ。断わり。
    1. [初出の実例]「悪い事があるなら、請人の役、マア一番にわしに答がありさうなもの」(出典:歌舞伎・隅田川続俤(法界坊)(1784)口明)
  7. ある行動に対して起こる反応。確かな感触。手ごたえ。
    1. [初出の実例]「日比此人をば確乎とした所応(コタヘ)の無い、卒といふ時には働けさうにも考へぬけれど」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後)
  8. 問題を解いて得る結果解答。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
    1. [初出の実例]「思ひも寄らぬ問題に、我ながら答案(コタヘ)が付かぬのである」(出典:良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉続)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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