整ほる(読み)トトノオル

デジタル大辞泉 「整ほる」の意味・読み・例文・類語

ととのお・る〔ととのほる〕【整ほる/調ほる/斉ほる】

[動ラ四]
きちんとそろう。よく調和がとれる。
「舞、楽、物の音ども―・りて」〈・花宴〉
乱れたところがなくなる。安定する。
「人の心も―・らず」〈平家・三〉
すっかり備わる。完備する。
「すべて何も皆、事の―・りたるはあしきことなり」〈徒然・八二〉

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精選版 日本国語大辞典 「整ほる」の意味・読み・例文・類語

ととのお・るととのほる【整・調・斉】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 秩序ある状態になる。均整がとれる。調和がとれる。きちんとする。
    1. [初出の実例]「上礼無きときは、下斉(ととのほ)らず」(出典日本書紀(720)推古一二年四月)
  3. 欠けるところなくそろう。備わる。そろう。
    1. [初出の実例]「さとくかしこく魂〈略〉ととのほり、容面心、人にすぐれたらば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  4. うまくいく。はかどる。
    1. [初出の実例]「乃ち良駒を見つ。〈略〉服り御(もち)ゐること随心(やすらか)に、馳せ驟(うぐつ)くこと合度(ととのほ)れり」(出典:日本書紀(720)欽明七年七月)

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