化学辞典 第2版 「断熱反応操作」の解説
断熱反応操作
ダンネツハンノウソウサ
adiabatic reaction process
化学反応器の温度を制御する操作の一つで,外部とは完全に断熱され,反応熱はそのまま反応流体の温度変化となる.反応装置では,温度が適当な操作範囲に落ち着くことが要求されるので,断熱操作は,
(1)反応熱が小さい場合,
(2)初期温度を調節して反応系の温度が操作範囲を超えないようにする場合,
(3)溶剤,そのほか不活性成分の熱容量が大きくて,温度効果を緩和する場合,
(4)不活性成分の蒸発,凝縮によって温度調節ができる場合,
などに適用される.反応熱がとくに大きいときには,断熱反応器を数個直列に用いるか,あるいは触媒を数段の層に分け,各断熱反応層の間に冷却器または熱交換器を設けるか,冷却または加熱用ガスを導入することにより,各層の入口温度を適当に保つような方法がとられる.これを多段断熱反応器とよぶ.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報