断熱設計(読み)だんねつせっけい(その他表記)heat insulating design

日本大百科全書(ニッポニカ) 「断熱設計」の意味・わかりやすい解説

断熱設計
だんねつせっけい
heat insulating design

建物の壁、天井、床などを貫流する熱、およびすきまの換気による熱を遮断し、室からの損失熱量ができるだけ少なくなるとともに、室温変動が小さくなるように、建物内境界面の構成およびその材料について計画し、設計すること。保温設計ともいう。壁体などの断熱性をよくすれば、かえって壁内に結露を生じる危険があるので、これを防止することも断熱設計に必要な条件である。室の損失熱量が少なくても、冬季暖房を止めて室温がすぐに下がってしまうような室の居住性はよくない。これを防ぐには壁体に熱容量の大きな材料を用いる。換気による熱損失を抑えるには換気量を少なくすればよいが、そうすれば室内空気を清浄に保つことは困難になるし、水蒸気発生の多い室では、壁表面および内部の結露のおそれも大きくなる。したがって、断熱設計にあたっては、空気衛生上の面から、室の用途に応じた最小限必要換気量を算定し、その換気量において結露の危険があれば、それを防止するために必要な壁体各層の構成および構成材料を選択、吟味し、壁体の防湿、保温が保証されるように十分な検討がなされねばならない。

[水畑雅行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む