湿気を防ぐというほどの意味であるが,大気中には水蒸気が含まれていて,しかも温度と関係しあっているので,具体的にはきわめて複雑である。小さな空間の場合は,たとえばデシケーターのように,気密の容器を用い,除湿した空気を封入するか,シリカゲルなどの乾燥剤を入れることで目的を達する。建築物の場合も,壁面に透湿抵抗の大きい(透湿量の少ない)防湿材料を用いて気密に保ち,内部で除湿装置を働かせればよい。防湿材料としては一般に,ポリエチレンフィルム,アルミ箔,アスファルトルーフィングなどが用いられる。ただし,冬など外気の温度が低いときは,室内の暖かい空気が壁面に触れて結露するので,断熱材も使用しなければならない。結露がやむをえない場合は,水滴となって落ちないように,水分を吸収する調湿材料で表面を仕上げる。しかし現実にはまず何よりも湿気をこもらせないことであり,それは通風をよくすることである。住宅の場合は,地面からの湿気を防ぐこと,床下の換気,小屋裏(屋根裏)の換気,窓など開口部の適切な配置に留意する。
→換気 →室内気候
執筆者:小川 伸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…また工場軽作業時の作業強度は1.9Met(全発熱量は198W)程度で,このとき24℃の室内での放熱量は顕熱76W,潜熱122Wとなり,発汗によって人体は生理機能を調節していることがわかる。
[断熱と防湿]
快適な室内気候を形成するには,断熱と防湿によって防暑・防寒対策を施すことが重要になる。外壁,天井,床には断熱材を入れ,窓も二重にすれば,冬は内から外への熱,夏は外から内への熱が移動しにくくなる。…
※「防湿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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