斯うて(読み)コウテ

デジタル大辞泉 「斯うて」の意味・読み・例文・類語

こう‐て〔かう‐〕【×斯うて】

[副]《「かくて」の音変化》このような状態で。こうして。
「さりとも、―おろかには、よもなりはてさせ給はじ」〈宿木

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「斯うて」の意味・読み・例文・類語

こう‐てかう‥【斯て】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 副詞「かくて」の変化した語 )
    1. 事態を観念的、限定的にとらえ、状態の意義を加えて接続する。こうこうで。これこれで。
      1. [初出の実例]「その廿五六日に、ものいみなり。なりはつる夜しも、門のをとすれば『かうてなん、かたうさしたる』とものすれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
    2. かくて(斯)[ 一 ]
      1. [初出の実例]「翁のあらん限りは、かうてもいますかりなむかし」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  2. [ 2 ] 〘 接続詞 〙 ( 接続詞「かくて」の変化した語 ) =かくて(斯)[ 二 ]
    1. [初出の実例]「かうてのにおはしましつきて御こしとどめ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)

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