西洋文典の訳語を借用したもので、大槻磐里の『和蘭接続詞考』(一八二五)が用いられた最初といわれる。明治以降、日本の文典にも使われて一般化していくが、明治初年の文典では接続助詞など、助詞の一部を含めているものもある。
二つの統語体を意味的、統語的に関係づける要素。「接続」の概念はきわめて広い範囲を示しうるので、文法によって接続詞の定義はかなり食い違いをみせる。
二つの互いに自立しうる統語体どうしの意味関係は、単なる並列では十分に示されないことがある。たとえば「彼がきた。私は出かけた。」は「彼がきた。ソレデ私は出かけた。」なのか、「彼がきた。デモ私は出かけた。」なのか決めにくい。片仮名の部分は両者の意味関係を明示するが、両者は統語的には独立している。一方、「彼がきたノデ私は出かけた。」「彼がきたガ私は出かけた。」は、全体が一つの単位をなす。以上の片仮名で示した要素が接続詞である(国文法では、後者の類を「接続助詞」とよぶことがある)。
二つの統語体をA、B、接続詞をcで示すと、両者は(イ)〔A〕〔cB〕と、(ロ)〔(Ac)B〕という型の違いを示す。(ロ)に属する接続詞はかならず他の統語体に付属して、一つの単位(「彼がきたガ」)をつくるが、その単位だけでは自立できないという性質をもつ。この意味で、(ロ)に属するものは「従属接続詞」とよばれることがある。一方、(イ)に属する接続詞のつくる単位(「デモ私は出かけた」)は、他の統語体と対等に自立するから「等位接続詞」とよばれることがある。一般に従属接続詞によって接続されるのは「節」に限られるが、等位接続詞は文法機能の等しい任意の統語体を接続する(「犬ソシテ猫」)場合がある。
[山田 進]
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…さらにまた,句がいわゆる条件の接続をなすとき,原因,理由,条件などを示して後件の句に従属する前件の句は,やはり連用修飾語(部)である。この接続関係を明らかならしめるものとして用いられる接続詞なるものも,上の句(文)の意味を受けて下の句(文)の意味を修飾するものとして,連用修飾語の一種とも考えられる(接続副詞とよぶことがある)。これまではいずれも述語の用言の実質的な意味内容を修飾するものであるが,これに対して〈けっして(来ない)〉〈たとえ(きても),……〉などは用言に伴う陳述のしかたを規定するもので,これも一種の連用修飾語といえる(陳述副詞とよぶ)。…
…前に立つものが異なるし,できあがるものも(終助詞がつく場合は特に)他と異なるからである。
[接続詞]
文と似た構造のものの表す内容と別のそうした構造を有するものの表す内容との関係を表す単語が一つの範疇を形成している場合,〈接続詞〉という名称が与えられることが多い。ただし,そういう品詞が存在する場合でも,所属する単語はかなり少数であるし,そうした内容を単語でないもので表すことも多い。…
※「接続詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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