新ピタゴラス主義(読み)しんピタゴラスしゅぎ(英語表記)Neopythagoreanism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新ピタゴラス主義」の意味・わかりやすい解説

新ピタゴラス主義
しんピタゴラスしゅぎ
Neopythagoreanism

前1世紀ローマ,アレクサンドリアを中心に現れたピタゴラス主義。新ピタゴラス派ではピタゴラスや初期ピタゴラス学徒に擬して著述をすることが多く,それゆえ彼ら自身の哲学的人格は定かでない。また彼らの説と新プラトン主義境界が明確でなく,中期プラトニズムのうちに包括されることからもわかるように,科学的探求への興味,宗教的傾向などの点でピタゴラス派の伝統に立つが,折衷主義的で,一つの体系を立てるにいたらなかった。この派の歴史的意義は当時の宗教的生活との密接な関係,および新プラトン主義との連関にある。テュアナのアポロニオス,ゲラザのニコマコスアパメイアのヌメニオスらが代表者。

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