新型出生前検査(読み)しんがたしゅっせいぜんけんさ(英語表記)Non-Invasive Prenatal genetic Testing (NIPT)

知恵蔵mini 「新型出生前検査」の解説

新型出生前検査

母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査。ダウン症などの三つの染色体異常の有無を判定する。日本医学会の施設認定を受けている医療機関で遺伝カウンセリングを受けたうえで、妊婦やその家族などが検査を受ける・受けないの意思決定をして実施することが推奨されている。しかし、2016年後半頃からこうした方針を無視し、十分な遺伝カウンセリングを行わずに検査を実施する「非認定施設」が現れ、検査結果について十分な情報提供が行われてないまま、妊婦やその家族が混乱するという事態が発生している。20年9~10月に実施された日本産科婦人科学会アンケートでは、51%が「非認定施設」で検査を受けていたとみられることが判明した。また、厚生労働省が20年7月に発表した実態調査では認定を受けずに検査を行う医療機関である「非認定施設」が少なくとも全国で54カ所確認されている。特に美容外科など美容系の診療科が多いとされ、同省は同検査のあり方について検討を進めている。

(2020-11-04)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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