家庭医学館 「新生児肝炎」の解説
しんせいじかんえん【新生児肝炎 Neonatal Hepatitis】
生後2か月以内におこる肝炎で、黄疸(おうだん)など肝炎に共通の症状が出現します。現在のところ、その原因は不明です。
多くの場合、生後4~5か月で自然に黄疸は消え、生後6~7か月になると肝機能も正常になります。
しかし、重症化して黄疸が消えず、肝硬変や肝不全(かんふぜん)状態になる例も一部にみられるため、十分な注意が必要です。
生後2か月以内に新生児肝炎と似た症状が出現する病気に先天性胆道閉鎖(せんてんせいたんどうへいさ)と先天性代謝内分泌疾患(せんてんせいたいしゃないぶんぴつしっかん)とがあります。
先天性胆道閉鎖は、生後60日までに手術しないと危険です。また、先天性代謝内分泌疾患も、治療が遅れると精神や運動の発達が遅れ、けいれんなど重い後遺症を残す危険があります。
そのため、新生児肝炎らしい症状があるときは、まず、早期診断が必要なこれらの病気と鑑別するための検査が行なわれます。