新科学(読み)しんかがく(その他表記)Principi di una scienza nuova d'intorno alla commune natura delle nazioni

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新科学」の意味・わかりやすい解説

新科学
しんかがく
Principi di una scienza nuova d'intorno alla commune natura delle nazioni

イタリアの歴史哲学者ジャンバチスタ・ビコ主著。正式には『諸民族共通本性に関する新科学の原理』で,1725年刊。著書は選民ヘブライ人以外のすべての民族の歴史的発達に共通の類型的段階を認め,そこに歴史の一般法則を見出す。すなわち,人間が粗暴で衝動的な神々の時代 (第1段階) ,支配者の現れる英雄の時代 (第2段階) ,さらに階級闘争の時代 (第3段階) というふうに,すべての国民が台頭し,進歩,完成し,没落,終滅し,終滅ののちに再び同じ3段階を繰返すという。この循環史観は,のちの歴史主義的循環論の先駆となった。

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世界大百科事典(旧版)内の新科学の言及

【タルターリア】より

…さらに,ヨルダヌスの力学的著作に関する資料を残し,のちに遺作として出版された(1565)。理論数学を機械的技術に応用する試みの《新科学》(1537)においては,砲弾がいたるところ曲線軌道を描くこと,最大射程は仰角が45度のとき得られることなどを理論的証明なしに述べている。この書物のタイトル《新科学》は,ルネサンスの高級職人たちの,新しい数学的学問創出への意気込みを示している。…

※「新科学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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