新聞用達会社(読み)しんぶんようたしかいしゃ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新聞用達会社」の意味・わかりやすい解説

新聞用達会社
しんぶんようたしかいしゃ

日本の通信社草分けの1つ。『郵便報知新聞』の矢野文雄 (龍渓) が,外遊して得た新知識をもとに 1890年1月設立した。機構はイギリス式をまね,ニュース通信のほか広告代理業も兼営した。ロイターとの特約をねらったが成功せず,結局は国内ニュースだけを配信した。初めは中立を目指したが,時事通信社 (現在の時事通信社とは別) との競争のせいもあって,次第に改進党色を強めた。経営難のため 92年に時事通信社と合併して帝国通信社 (帝通) となった。

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世界大百科事典(旧版)内の新聞用達会社の言及

【通信社】より

…最近第三世界では,これまでの〈先進国〉の〈事件‐中心〉の報道話法に対する批判も出ている。
[日本の通信社]
 明治憲法発布の前後に生まれた時事通信社(1887‐90),新聞用達会社(1890‐92)などが日本の通信社の先駆といわれるが,当時は群小通信社の乱立にとどまった。新聞用達会社の後身として,1892年創立の帝国通信社(帝通)は日清,日露戦争を通じて業務を拡大,1901年創立の日本電報通信社(電通)とともに日本の二大通信社として競争した。…

※「新聞用達会社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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