帝国通信社(読み)ていこくつうしんしゃ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「帝国通信社」の意味・わかりやすい解説

帝国通信社
ていこくつうしんしゃ

1892年5月に創立された改進党系の通信社。時事通信社 (現在の時事通信社とは別) と新聞用達会社合併して発足。 90年 11月に設立された東京通信社と対立抗争し,その競争に勝ったあとは 1911年7月創立の電報通信社 (電通) と競争しながら,23年前半に最盛期を迎えた。しかしその年の関東大震災大打撃を受け,続いて 26年の日本新聞聯合社 (聯合) の出現により没落過程をたどり,29年3月には破産宣告を受けた。その後も名目だけは存続していたが,42年の新聞統合令で昼夜通信社と合併,帝国昼夜通信社となった。

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世界大百科事典(旧版)内の帝国通信社の言及

【通信社】より


[日本の通信社]
 明治憲法発布の前後に生まれた時事通信社(1887‐90),新聞用達会社(1890‐92)などが日本の通信社の先駆といわれるが,当時は群小通信社の乱立にとどまった。新聞用達会社の後身として,1892年創立の帝国通信社(帝通)は日清,日露戦争を通じて業務を拡大,1901年創立の日本電報通信社(電通)とともに日本の二大通信社として競争した。第1次大戦勃発直前の14年,ロイター通信社と結ぶ国際通信社(国際)が生まれ,26年東方通信社を合併して日本新聞聯合(れんごう)社(聯合,1928年新聞聯合社と改称)を組織,帝通の没落とともに,電通と聯合との激しい競争を特徴とする〈電聯時代〉を生んだ。…

【電通[株]】より

…日露戦争後の1907年,この2社を統合して株式会社日本電報通信社を設立した。帝国通信社(略称,帝通。1892創立),のちには新聞聯合社(略称,聯合。…

※「帝国通信社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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