方法的懐疑(読み)ほうほうてきかいぎ(英語表記)doute méthodique; methodical doubt

  • ほうほうてきかいぎ〔ハウハフテキクワイギ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

デカルト哲学の根底をなす方法。少しでも疑いうるものはすべて偽りとみなしたうえで,まったく疑いえない絶対に確実なものが残らないかどうかを探る態度。それは懐疑論と異なり,すべてを偽りとする判断ではなく,真理を得る方法としての意志的懐疑であり,徹底してなされる点で「誇張された懐疑」である。デカルトはこの懐疑を通してまずコギト・エルゴ・スムの真理を得た。

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デジタル大辞泉の解説

確固不動の真理に達するためにデカルトが用いた方法。偏見謬見(びゅうけん)、あるいは真実らしく見えるが不確実なものなどをすべて疑うに足るものとして排し、この徹底した懐疑を通して「思う、故に我在り」という哲学の第一原理に到達した。

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大辞林 第三版の解説

デカルトが哲学革新の出発点としたやり方。確実なものに到達するための手段として用いられる懐疑。疑う理由が少しでもある原理を否定してゆき、最後に「コギトエルゴスム」の第一原理に到達しようとした。

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世界大百科事典内の方法的懐疑の言及

【デカルト】より


[形而上学]
 デカルトはその哲学体系を一本の木にたとえ,その根は形而上学,幹は自然学,枝は医学・機械学・道徳と考えた。このように形而上学は他の諸学を支え基礎づける〈第一哲学〉であって,そこでは神の存在,精神と物質の存在ならびに両者の実在的区別が証明されるが,その形而上学的思索はまず〈方法的懐疑〉から始まる。彼は絶対的に確実なものを求めてすべての感覚知を否定する。…

※「方法的懐疑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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