旅客等級(読み)りょかくとうきゅう(その他表記)class of passenger service

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「旅客等級」の意味・わかりやすい解説

旅客等級
りょかくとうきゅう
class of passenger service

旅客運送で設備,サービスに差異をつけ,運賃・料金で区別した等級特急急行などの別による列車等級とは区別される。各等級運賃・料金の差額は設備,サービスのコストの差だけによるのではなく,旅客の運賃負担力の差にも規定される。諸外国では通常,等級段階の最も多いのは汽船であり,航空ではエコノミーファーストの2段階が,列車ではセカンドとファーストの2段階が普通であるが,航空では近年の運賃自由化政策により,かなり複雑な等級性がみられるようになってきている。日本の場合,国内航空は現在モノクラス制であり,旧国鉄は 1960年から従来の3等級制を2等級制に改め,さらに 69年5月から従来の1等車をグリーン車と呼称変更,形式的には1等級制となったが,実質上は2等級制であり,また寝台料金など付加料金にも実質上等級制がみられる。私鉄,地下鉄,バスには通常等級制は設定されていないが,諸外国では私鉄,地下鉄にも等級の設けられているものがある。

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