改訂新版 世界大百科事典 「旗源平」の意味・わかりやすい解説
旗源平 (はたげんぺい)
源平旗合戦,源平旗とりなどとも呼ばれる。石川県を中心とし,富山県,福井県などおもに北陸地方にみられる遊びで,19世紀初期に創案されたものといわれる。源氏を表す〈ささりんどう〉の白旗,平家を表す〈あげはちょう〉の紅旗おのおの大,中,小の旗と纏(まとい),これらを差す盤,賽2個が遊具である。旗の高さは20cm前後で,小旗は10本で1本が1点,中旗は5本で1本が10点,大旗は1本で50点,纏は1本で100点。これを源平2組がそれぞれ持ち,賽を2個振り,その目数に従って旗を争奪し合う。目数の組合せはそれぞれの符丁と得点法が定められている。たとえば1・1は〈チンチン〉といって2点(小旗2本)となり,ゲームを続けることができる。4・3は〈シサマノカンカントウ〉といって0点で,攻守を交替する。こうして敵方の旗全部と纏を奪取した組が勝者となる。小旗がなくなったときは,中旗,大旗と両替できる。
執筆者:半澤 敏郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報