遊具(読み)ユウグ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遊具
ゆうぐ

遊びのために使用する道具。玩具(がんぐ)も遊具のなかに入るが、手に持って遊べる大きさのものを玩具、おもちゃという。遊具は大別して「固定遊具」と「移動遊具」とに分けられる。

 固定遊具には、ぶらんこ、すべり台、ジャングルジム、雲梯(うんてい)、固定円木、遊動円木などがあり、これらは体全体を動かす運動的活動の道具として用いられる。友達といっしょに遊ぶことも楽しく、社会性を身につける場ともなる。移動遊具には、三輪車・自転車などの乗り物遊具、積み木・ブロックなどの構成遊具、ボール・縄とびなどの運動遊具、シャベル・砂型などの砂遊び遊具、かるた・トランプなどのゲーム用遊具などのほか、ままごとに用いる遊具、こまなどの伝承遊具などがある。

 遊具は、楽しく使いながら、心身の広い面にわたって子供の発達が促される重要な道具である。このため、遊具の具備する要件として、衛生的、安全、教育的であることがあげられる。衛生面では、安全な塗料が用いられている、汚れた場合洗ったり、消毒ができたりするなど。安全面では、年齢に応じての配慮、たとえば、乳児では飲み込まないような大きさのもの、先がとがっていたり、金属部分が外れたりしてけがをするようになっていないもの、動きの激しい固定遊具では堅牢(けんろう)になっていることなど。教育面では、子供にとっておもしろい、遊んでみようと興味をおこさせ、遊びを発展させるもの、美しい色・形などで美的で快適な気持ちをもたせるもの、壊れにくいもの、一人で遊ぶとともに友達といっしょに遊べるものなど。

 遊具はできるだけ子供の自由に、子供の思うままに遊ばせることがたいせつである。大人の指示が多いと、世話をしてもらえなければ自分で遊ぼうとしないことになる。あまり複雑なものは、たとえ大人からみて知的訓練に役だつなどと考えられても、子供の活動を発展させる遊具にはならない。幼児期における遊具の重要性を明らかにしたのはフレーベルであり、その恩物は、世界最初の教育的な遊具である。アメリカの進歩主義幼稚園運動に貢献したヒルPatty Smith Hill(1868―1946)が創案した大型の箱積み木、モンテッソリが開発したモンテッソリ教具といわれているものも教育的にくふうされた遊具である。

[岡田正章]

『松村康平著『子どものおもちゃと遊びの指導』(1970・フレーベル館)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

ゆう‐ぐ イウ‥【遊具】

〘名〙
① 管弦の遊びに用いる楽器。
※中右記‐天仁元年(1108)一一月二三日「置御遊具御笛拍子等、絹御笛蓋」
② 遊びに用いる道具。特に、ブランコ、すべり台など大きなものをいうことが多い。あそびどうぐ。玩具。
※枕山詩鈔‐初編(1859)中・墨川行「遊地亦復有遊具、誰家筵席不酒樽
③ 遊歴のための具。旅行するときの携帯品。
※杉梅太郎宛吉田松陰書簡‐嘉永四年(1851)九月二七日「遊具も笠合羽物入袋地図道中記の類少々調へ度品有之」

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世界大百科事典内の遊具の言及

【玩具】より

…これは,〈もつ〉という言葉に接頭語と接尾語が付いて〈おもつや〉となり,これが音便化されて〈おもちゃ〉となる。また,玩具という言葉は太平洋戦争中,もてあそぶという語意が不健全なニュアンスがあるとして〈遊具〉と変更させられるが,すでに国民の間でなじんだ言葉は消滅することはなく,戦後になってふたたび使われるようになった。一方,外国においても,玩具を表す言葉,たとえば英語のtoyには〈くだらないもの〉,フランス語jouetには〈わらいものになる〉という意味がある。…

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