日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
日本オープンオンライン教育推進協議会
にほんおーぷんおんらいんきょういくすいしんきょうぎかい
大学レベルの講義をオンラインで無料公開するプラットフォームの構築・運営を推進する一般社団法人。事務所は東京都港区。2013年(平成25)に全国的な産学連携によって設立された組織で、2014年度春期から、日本の主要な国公私立大学の教員による講義をインターネットを通じて無料で配信している。英語名称はJapan Massive Open Online Education Promotion Councilで、略称JMOOC(ジェイムーク)。MOOC(MOOCsと表記しムークスともいう)は、アメリカで生まれた大規模オープンオンライン講座をさす略称である。
インターネットを通じて大学の講義内容を配信するオープン教育、オープンコースウェア(OCW:Open Course Ware)は、アメリカでスタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学などが参加し、2003年ごろに始まった。OCWは世界的に広がり、2013年時点では49か国・地域の277組織により、約2万5000科目が公開されている。また、2012年からはMOOCとして本格的なオープンオンライン教育が始まり、世界中のトップレベルの大学、教授による講義が配信され、最終課題に合格した受講者には修了証が授与される仕組みが構築された。2013年5月時点でMOOCのおもなプラットフォームが提供する講座数と登録者数は、Coursera(コーセラ)が380講座以上で360万人以上、edX(エデックス)が50講座で90万人以上、Udacity(ユーダシティー)が25講座で70万人以上にのぼる。
JMOOCは、学習修了認定が広く社会的な価値として認知されるような質の高い学習・習得管理を目ざしている。また、コンテンツやプラットフォームを広くアジア諸国へも提供して日本への留学希望者や日本企業への就職希望者にも学習機会を提供し、企業の実践的ノウハウなど、多様な講座が開設されている。さらに、オープンオンライン講座を予習教材として使い、講義ではより高度な内容の授業を行う反転学習の普及も図っている。2020年(令和2)5月時点で認定講座数は425、登録者数約78万人、延べ学習者数は約119万人。
[編集部 2022年10月20日]